2010年6月5日土曜日

【朝鮮少年団創建記念日】少年団行進曲


▲『キャンプ生活』(東京・第1初中級学校 初級部キム・ギュヨン) <『朝鮮画報』1970年12月号より>

明日は6月6日、朝鮮少年団創建記念日です。少年団といえばリ・ミョンサンの作曲、1946年創作「少年団行進曲」ですが、やっぱりこの歌は創作当初から歌詞が変更されているようです。「朝鮮音楽」様にある普天堡版の歌詞が現行の歌詞だと思われるので、まずはそれから。
少年団行進曲 歌詞日本語訳

明けゆく祖国の地で 朝焼けの光に
赤く染まったネクタイをはためかせよ
我らは共和国の小さな英雄ら
共産主義の後備部隊として 学びゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
大元帥様の後に続き 力強く進もう

白頭から昇る 太陽に従って
一歩ごとに熱い心を高鳴らせ駆ける
我らは金日成大元帥様の子ら
輝く革命伝統 受け継いでゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
大元帥様の後に続き 力強く進もう

- 共産主義建設の後備部隊となるため
- 常に備えよう
- - 恒常準備!


我らは大元帥様の尊い志を仰ぎ
祖国統一の一筋に戦いゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
大元帥様の後に続き 力強く進もう

기발을 높여라」という部分は直訳すると「旗をあげよ」なのですが、「...아」(呼びかけ)の「...よ」とで「...よ」が続くのが気に食わなかったので「旗を翻せ」をいう訳にしてみました。

次に旧歌詞ですが、出典は私のパソコンの中に何年も前から保存されていた楽譜の画像です。いつどこで拾ったのかは忘れましたが、たしかNKChosun.comかなんかの南朝鮮のニュースサイトだった気がします。




訳は次の通りで、普天堡の歌詞と異なっている部分を太字にしました(元帥様→大元帥様は除く)。
明けゆく祖国の地で 朝焼けの光に
赤く染まったネクタイをはためかせよ
我らは共和国の小さな英雄ら
社会主義の建設者として 学びゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
元帥様の後に続き 力強く進もう

烈士たちが開いてくれた 希望に満ちた未来
一歩ごとに熱い心を高鳴らせ駆ける
我らは金日成元帥様の子ら
輝く革命伝統 受け継いでゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
元帥様の後に続き 力強く進もう

胸を張って歩みを踏みしめれば
青い山 黄金の野が 抱いてくれるのだ

我らは繁栄する新朝鮮のつぼみ
祖国統一の一筋に戦いゆく
少年団の仲間たちよ 旗を翻せ
大元帥様の後に続き 力強く進もう

普天堡版には3番の最初の2行は無いので変わってるのか変わってないのかわかりませんが、とりあえず太字です。

金日成主席が共和国大元帥に推戴されて共和国元帥の座を金正日総書記に明け渡したのは1992年なので、「대원수님 (大元帥様)」と歌われるようになったのはそれ以降でしょう。ただ、「원수님의 (元帥様の)」としても音節の数は変わらずそのまま歌えるので、歌詞全体はそれ以前に変わっており、1992年を境に「元帥様」の部分だけ変更したということも考えられます(「金日成元帥様万歳」の歌詞とタイトルが「金日成大元帥万歳」に変更された例もありますからね)。そもそも、1946年と言ったら共和国創建前のソ連軍政期なんで「共和国」「元帥様」も作詞当初はなかったわけですね。まあいずれにせよ、この歌の歌詞の変遷は興味深いです。

あとちなみにこの「恒常準備(ハンサン チュンビ)」というのは朝鮮少年団の合言葉(スローガン)で、少年団式の敬礼とともに叫ばれます。ソビエト連邦のピオネールのスローガン "Всегда готов!"(常に準備は出来ている)を移植したものでしょうが、「恒常準備」の「準備」は「準備は出来ている」の意味ではなく、この普天堡版少年団行進曲の間奏にあるとおり「準備をしよう」の意味と思われます。

(2008年12月31日に書いた記事を補訂した投稿です。内容が大幅に増えたので元記事は削除しました)


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2010/10/07 更新
細かいことだけど、「我らは繁栄する新朝鮮のつぼみ」を太字にするのを忘れてた。
 
(^q^)