2013年3月12日火曜日

鉄道行進曲 (철도행진곡)

鉄道行進曲」(1952年創作、コ・ソクサン作詞、金元均作曲)を紹介します。『조선노래대전집(朝鮮歌謡大全集)』に掲載されている曲で、音源はいまのところ入手できていません。これまで音源がない曲は基本的に掲載しない方針でしたが、興味深いので取りあげたいと思います。

鉄道行進曲
철도행진곡

一路延びる列に沿い 輸送列車は走る
長い汽笛を鳴らして 峠を越えれば
旗を振り歓迎する 仲間たちのいるところ
なんとしても夜のうちに 終点まで着こう
ああ われらは 鉄馬の騎手
前線の勝利のため きょうもゆく

ボイラーを熱せよ 輸送列車は走る
一分一秒がわれらには 血よりも貴重で
時間を惜しみながら 前線へ向かってゆく道
敵を急き立てるがごとく 汽車を走らせよう
ああ われらは 鉄馬の騎手
前線の勝利のため きょうもゆく

青信号はいとしく 輸送列車は走る
ピストンを弾ませて 終点に着けば
ひとりずつ抱く 戦友たちの胸へ
載せよう この弾丸を 早く届けよう
ああ われらは 鉄馬の騎手
前線の勝利のため きょうもゆく
한길곧은 렬을 따라 수송렬차 달린다
긴 고동을 올리면서 산굽이를 지나면
기발 들고 반겨 대할 동무들이 있는 곳
한사코이 밤으로 종점에 대자
아- 우리들은 철마의 기수
전방의 승리 위해 오늘도 나간다

불가마를 달구어라 수송렬차 달린다
분초가 우리에서 피보다 더 중하여
매 시간을 아끼면서 전선 향해 가는 길
원쑤를 다우치듯 기차를 끌자
아- 우리들은 철마의 기수
전방의 승리 위해 오늘도 나간다

푸른 등불 정답고나 수송렬차 달린다
피스톤을 달구채며 종점에 닿으면
한아름씩 받아 안을 전우들의 품으로
실으세 이 탄환을 어서 보내세
아- 우리들은 철마의 기수
전방의 승리 위해 오늘도 나간다


■解説

作曲者は「金日成将軍の歌」「愛国歌」などを手がけた金元均(キム・ウォンギュン)。「行進曲」らしく軽快な曲調です。金元均は共和国を代表する作曲家とされているわりにはそれほど作品数が多くありません。そんななかで、この「鉄道行進曲」は氏の隠れた名作と言えるかと思います。

創作年は祖国解放戦争(朝鮮戦争)中の1952年。「戦時歌謡」に分類されます。したがって「鉄道行進曲」といっても鉄道一般を主題とした歌ではなく、あくまで前線と後方を結ぶ補給の手段としての「鉄道」を描いています。同じく戦時歌謡であり、トラックでの戦時輸送を描写した「自動車運転士の歌」(1951年)の鉄道版が「鉄道行進曲」と言ってもいいかもしれません。もっとも、「自動車運転士の歌」が現在に至るまでまで広く使用されているのにたいし、「鉄道行進曲」は忘れられている感があるので残念ですが…。

戦争中の鉄道輸送を題材にした作品といえば、芸術映画「鉄路の上で (철길우에서)」(1966年)やその主題歌「若い機関士 (젊은 기관사)」(同年)が知られます。なので、「戦時下の鉄道輸送」というのは必ずしも珍しい題材ではないようです。



■楽譜
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