2014年5月18日日曜日

【報道】ファン・ジニョンら作曲家3名、労力英雄称号を受称

共和国最高人民会議常任委員会は4月12日、政令を制定し、ファン・ジニョンウ・ジョンヒアン・ジョンホの3名の作曲家に労力英雄称号を授与した。牡丹峰楽団での創作活動を評価しての授与とみられる。

左からファン・ジニョン、ウ・ジョンヒ、アン・ジョンホ
政令の全文(和訳)は次のとおり。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会政令
第7号 チュチェ103(2014年)4月12日

ファン・ジニョン、ウ・ジョンヒ、アン・ジョンホ同志に
朝鮮民主主義人民共和国労力英雄称号を授与することについて

朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、わが党の主体的な音楽芸術思想で固く武装し、革命的・先進的な創作気風と情熱を高く発揮して、偉大な金正恩時代の精神が脈打つ思想芸術性が強く、人民たちの現実的な感情を込めた名曲を数多く創作することによって千万軍民を社会主義守護戦と強盛国家建設の終局的勝利のための闘争に力強く鼓舞・激励することに大きく寄与した、ファン・ジニョン、ウ・ジョンヒ、アン・ジョンホ同志に、民族最大の名節である太陽節を控え、朝鮮民主主義人民共和国労力英雄称号ならびに金メダル(鎌と鎚)および国旗勲章第1級を授ける。

朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会

平壌
「労力英雄」は「共和国英雄」に次いで権威のある称号。これまで共和国で英雄称号が授与された作曲家は、わたしが確認している限り次の3人である(いずれも労力英雄)。

  • キム・ウォンギュン(金元均)…「金日成将軍の歌」「愛国歌」の作曲者
  • ソル・ミョンスン …「金正日将軍の歌」の作曲者
  • リ・ジョンオ …普天堡電子楽団で作曲活動、同楽団副団長(団長説もあり)

今回、新たに3人が受称したので、すでに亡くなった人も含めて合計6人ということになる。そして、今回の3人はいずれも過去に普天堡電子楽団に所属していた作曲家である。つまり、「永生不滅の革命頌歌」とされる2曲の作曲者2人を除く4人がいずれも普天堡電子楽団出身者ということになる。

もちろん、称号が授与されるか否かは対象者の実力や実績だけによって決まるものではない。そのときどきの政策や政治情勢の影響も少なくないだろう。また、全体的に、朝鮮では昔より称号や勲章の授与基準が緩くなっていると言われる。朝鮮音楽の黎明期に大きく貢献した李冕相や金玉成も、英雄称号は受称していない

それゆえ、ファン・ジニョンだけならともかく、ウ・ジョンヒとアン・ジョンホにまで同時に英雄称号が授与されたことについては、「称号の安売りではないか」という指摘もできる。しかも、ファン・ジニョンとアン・ジョンホは「人民芸術家」の称号を持つが、ウ・ジョンヒは「功勲芸術家」。つまり、ウ・ジョンヒは「人民芸術家」称号を授与される前に「労力英雄」称号を受称したわけだ。

これらのことを勘案すると、3人にたいする今回の称号授与は、普天堡時代やそれ以前から現在に至るまでの実績全体が評価されたというより、最近の牡丹峰楽団への貢献に焦点を絞った授与なのではないか、という推測が成り立つ。つまり、金正恩時代における音楽芸術の模範として牡丹峰楽団を持ち上げるキャンペーンの一環としての授与なのだろう。

とはいえ、朝鮮の政権が(政策への貢献も含めて)最も高く評価した作曲家がこの6人であることは、形式的には間違いない。そして、すでに述べたように、「永生不滅の革命頌歌」の2人を除く4人が普天堡電子楽団出身者。今回の3人が英雄称号を授与された直接のきっかけは普天堡ではなく牡丹峰楽団での活動であるといっても、牡丹峰楽団が普天堡を継承する存在であることはすでに明らかにされている。そう考えると、普天堡電子楽団が朝鮮の「音楽政治」史に残した影響が、いかに決定的なものであったかということを再確認されられる

(ところで、先日の第9次全国芸術人大会では牡丹峰楽団に関連して注目すべき発言がいろいろあったようですね。ただまだ情報がまとまっていないので、とりあえず保留!)

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